病棟紹介Ward

集中治療室/中央部門/入退院支援

集中治療室/中央部門/入退院支援

10階:消化器病センター
9階:脳血管センター
8階:川崎心臓病センター
7階:川崎大動脈センター
6階
4階
2階
入退院支援

ACU2

大動脈センターHCU

クリティカルケア看護師として、看護の力を十分に発揮し、
生命の危機に直面する患者とその家族にじっくりと寄り添う

川崎大動脈センターは大動脈疾患の専門医療センターであり、国内最多の手術を実施しています。そのため大動脈疾患の症例が豊富で、高度な専門知識・技術が身につく他施設には無い環境が整っています。
ACU2には、大動脈瘤破裂や急性大動脈解離などの緊急手術後に合併症を併発し、長期治療が必要となった患者さんも多くいらっしゃいます。生命の危機にある患者さんに対して時間をかけてじっくりと寄り添い、クリティカルケア看護師としての知識・技術を十分に発揮して、患者さんとご家族の明日につなげる看護をチームで実践できるところがACU2の魅力です。

川崎大動脈センターが目指す看護

国内唯一の大動脈治療専門施設としての誇りと責任を胸に、
救える命を救うため、チームで取り組みます​

  • 緊急手術で救命した生命に寄り添い、社会復帰に繋げる看護
  • 患者、家族の気持ちを理解し、患者・家族心理に寄り添った看護
  • 高度なアセスメント力を、患者の安全・安楽に繋げる看護
他施設には無い、高度な専門医療・看護の提供

国内唯一の大動脈疾患の専門医療センター

川崎大動脈センターは、大動脈瘤・大動脈解離の治療を専門に行う国内唯一の医療センターです。
超高齢者・ハイリスク患者に対する手術はもちろん、複合手術を必要とする高難易度手術にも対応し、他施設では「治療は困難」あるいは「治療は不可能」と言われた多くの患者さんに対して、積極的に専門的な医療・看護を提供しています。

国内最多の治療実績

当センターは、開胸・開腹手術とステントグラフト治療の両者に対応しており、治療実績、特に手術件数においては国内最多の実績があります。そのため、症例を豊富に経験できる環境があります。

緊急症例に対応 ~救える生命を救うために~

当院はドクターカーを保有しており、大動脈瘤破裂や急性大動脈解離など、緊急手術の必要な症例に対して他施設からの要請を受けて緊急対応しています。ドクターカーは24時間365日体制で神奈川県内全域、東京都内全域(それ以外の県でも条件により可能)をカバーします。
“救える生命を救うため”に、多職種チームが一丸となって取り組んでいます。

No refusal policy! 受け入れ要請は断りません!

川崎大動脈センターは、24時間365日、すべての大動脈疾患患者を受け入れています。

対象疾患

胸腹部大動脈瘤/急性大動脈解離/胸部大動脈瘤全般/腹部大動脈瘤/腸骨動脈瘤
特に、これまでの心臓外科施設では手術成績が不良であった胸部大動脈瘤、胸腹部大動脈瘤、急性大動脈解離も対象疾患とし、また、高齢者や臓器合併症を合わせ持つ重症症例にも積極的に対応し、良好な成績を上げています。

ACU2の強みと魅力
  • 他施設には無い、高度な専門医療・看護の提供
  • 周術期合併症に対する看護を通じて、多岐にわたる病態の理解ができる
  • 生命の危機に直面する患者さんとそのご家族にじっくりと寄り添う
  • 多職種チームが一丸となり、ベストな看護を提供
  • クリティカルケア看護師としての実力が身につく教育体制
多岐にわたる病態の理解ができる

予定手術の場合は、合併症なく元の生活に戻られる患者さんがほとんどですが、瘤の破裂や急性解離などの緊急症例の場合、手術後に脳血管障害、対麻痺、嚥下機能低下、腎機能障害といった様々な合併症を起こす可能性があります。
ACU2では、合併症を併発し長期治療が必要となった患者さんの看護管理を行っています。そのため、呼吸・循環管理などの全身管理をはじめとし、多岐にわたる病態の理解を深めることができます。

クリティカルケア看護師として、看護の力を十分に発揮できる

患者の生命維持・生理的機能回復のための全身管理はもちろん、苦痛の緩和、セルフケア能力の回復、家族への支援など、クリティカルケア看護師に求められる役割を担い、余すことなく看護の力を発揮・実践していただける環境がACU2にはあります。

患者さんとそのご家族にじっくりと寄り添う看護

患者さんお一人お一人に寄り添った看護

ACU2はハイケアユニットであるため4対1の看護体制ですが、患者さんの重症度に合わせて、看護師の受け持ち患者人数を2~3名で調整しています。そのため、スタッフは余裕を持って患者さんお一人お一人に関わることができています。
またスタッフ間のチームワークを大切にし、カンファレンスなどを通じてチームで患者さんにじっくりと寄り添った看護が実践できる点も魅力です。

家族看護を大切にしています

合併症を発症された患者さんは、長期間の入室となり、特に家族看護が重要となります。
ACU2には集中ケアの認定看護師が在籍しており、認定看護師を中心に手厚い家族看護を実施しています。

~集中ケア認定看護師からのメッセージ~

当院でも感染対策として面会制限をしています。面会ができないことは、患者と家族・社会とのつながりが途絶し、心理的な悪影響をもたらしかねません。
患者は療養生活の中で様々な不安や恐怖、不満、自責の念、落胆などが引き起こされやすく、家族のことも心配しています。これらは家族も同じです。
回復過程やエンド・オブ・ライフに至る時でも、患者・家族は互いの存在に支えられ、それぞれの危機的状況を乗り越えようとしています。私たちは、あらゆる場面でリモート面会や動画撮影を最大限に活用し、患者・家族の代弁者となり、患者と家族をつなぐよう看護しています。
ACU2では、ELNEC JCCの指導資格を持つ認定看護師が、家族看護が苦手という看護師さんの支援をしています。ぜひ、私たちと一緒に、あなたの思いや経験を実践してみましょう。

患者・家族主体の退院支援

患者さん・ご家族主体で退院支援を進めていくために、ACU2では入室時にご家族とリモート面会を実施しています。
患者さんの病院での療養生活の状況をご家族にお伝えし、ご家族の反応や受け止め方を見て家族心理を理解し、スタッフ間で情報共有をしています。家族心理を十分に理解し、ご家族と関係性を構築しながら関わることで、スムーズな退院調整に繋げていきます。
また、当センターは全国から患者紹介を受けているため、患者さんが地元の病院で療養できるように環境を整える必要があります。当院では、医療ソーシャルワーカーが入院早期から介入して施設との交渉を進め、患者さんがご自宅近くの施設へスムーズに転院できるように調整しています。
私たちは、“患者さん・ご家族が求める場所に帰れる”ような退院支援を実践しています。

多職種チームが一丸となり、ベストな看護を提供

当センターは、医師・看護師・リハビリ・薬剤師・管理栄養士・医療ソーシャルワーカーなどの多職種が、それぞれの専門性を互いに尊重し、連携し補完し合いながら、ベストな医療・看護の提供を目指しています。

看護師とリハビリの連携

当院には45名のリハビリスタッフが在籍。各病棟にチームで常駐し、診療科ごとに専門性を高めてリハビリを実施しています。

専門性を高め、質の高いリハビリを実践

大動脈センターにも専属のリハビリチームが常駐し、専門性を高めて質の高いリハビリを実施しています。
当センターでは手術後抜管当日からリハビリスタッフが介入し、ベッドサイドで患者さんと1対1で早期離床、呼吸リハを開始します。
リハビリスタッフと看護師が一緒にリハ介入するので、患者へのアプローチ方法などを共有することができ、看護師は日常生活動作の援助を不安なく実施することができます。また、リハ記録から循環動態、酸素化、嚥下評価などの情報を取り、看護に繋げています。
さらに、リハビリチームには言語聴覚士もおり、周術期合併症の嗄声や嚥下障害に対して介入し、症状の改善を図っています。

リハビリの早期介入は身体的ADLの拡大という効果だけではなく、早期離床を進めることで患者さんに安心感と自信を与えることにより、QOLの向上にも繋げることができます。
リハビリと看護が協働し、患者さんの早期退院を目指して関わっています。

看護師と薬剤師の連携

当院は、すべての病棟および集中治療室に薬剤師が常駐しており、全患者への服薬指導介入を目指しています。
ACU2では薬剤師が参加するカンファレンスも実施しており、看護師としては、薬剤について薬剤師にタイムリーに相談できる環境が整っています。

薬剤師の大きな役割~せん妄コントロール~

ACU2における薬剤師の大きな役割として、疼痛コントロールとせん妄コントロールがあります。
せん妄患者に対して薬剤師が介入することで、早期のコントロールが可能になり、スムーズなせん妄離脱に繋げています。
術後せん妄に対して、看護師からの情報提供をもとに薬剤師は患者に合った薬剤選択をし、容量や投与タイミングについて看護師は薬剤師からアドバイスを受けることができます。
薬剤師は投与後の評価をし、必要に応じ医師に情報提供することで、効果的な薬物治療に繋げます。
さらにACU2退室時には、せん妄患者が心身ともに安定した状態で一般病棟で療養ができるように、薬剤師は転棟事前に薬剤の調整も行っています。

5年間で、当センターが目指す看護を実践できる看護師になる

《1年目・2年目の目標》:急性期看護師としての、基本的な技術知識を習得する

《3年目の目標》:後輩指導や病棟運営などの役割を担い、主体的な看護展開を目指す

《4年目の目標》:チーム医療に主体的に参画し、リーダーシップを学ぶ

《5年目の目標》:当センターの目指す看護を体現し、チーム医療の軸として機能する

クリティカルケア看護師としての実力が身につく教育体制
1年目 (ラダーⅠ-①)
目標 基礎看護技術を習得し、看護業務独り立ちをする
成長 安全・安楽を考えた看護展開が自立できる
2年目 (ラダーⅠ-②)
目標 メンバーとして主体的に行動し、看護展開ができる
アセスメント力を身につける
成長 長期呼吸器装着の管理ができる
抜管・挿管患者の急変時対応が身につく
キャリア形成 他部署理解を目的に、センター内で教育ローテーションを実施(2カ月間)
3年目 (ラダーⅡ)
目標 リーダー業務開始(OJT)➡リーダーに必要な力を養う
役割 プリセプターの役割を担う
キャリア形成 4年目以降のキャリアプランについて考える(所属長面談)
4年目 (ラダーⅡ)
目標 リーダー業務独り立ち➡リーダーに必要な力を身につける
役割 メンター(2年目のフォロー)の役割を担う
キャリア形成 キャリアプランに応じて、教育ローテーションを実施
5年目 (ラダーⅢ)
目標 チーム医療において、多職種チームの軸となる
病棟のリーダーとして機能する
役割 アソシエイツの役割を担う
成長 病棟全体を把握し、チームリーダーとして病棟運営に関わりチームの中心となる
キャリア形成 6年目以降のキャリアプランを明確にし、実践に向けた計画を立てる

6年目以降のキャリア形成

管理職 スペシャリスト 教育・指導者 ジェネラリスト
教育ローテーション制度

川崎大動脈センター(ACU1、ACU2、7階病棟)では、他職種連携の強化とキャリア形成の支援を目的に、教育ローテーションを実施しています。

目的
  • センター内3病棟の相互理解⇒連携強化・チーム医療の促進
  • 入院から術直後、退院までの一貫した看護を学ぶ
  • キャリアプランに添ったローテーションを実施し、キャリア形成を支援
方法
  • センター内ローテーション
    センター内3病棟の相互理解を目的に、ACU1・ACU2・7階病棟間で行うローテーション。新卒者は2年目に実施します。
  • センター外ローテーション
    個々のキャリアプランに添い、心臓病センター・ICU・救急外来など、大動脈センター外の部署を対象に行うローテーション。新卒者は4~5年目に実施します。

フォローについて

ACUでは、新卒はもちろん、既卒にも必要に応じプリセプターをつけています。
定期的にプリセプター会議を実施して情報を共有し、センター全体で教育・フォローをしています。