日本救急医学会認定 川崎幸ICLSという研修を担当しています。
これは、急変対応への知識と技術の向上・統一を目的に開催しています。
急変対応はいつも緊迫した雰囲気になってしまいますが、
個人的に良い対応だなと思うポイントがあります。
それは…【静かに坦々と行っているかどうか】です。
よくあるのが、
「薬はいついったの〜!」
「だれか家族に連絡した〜?」
「だれか時間見てる〜?」
などという声がいろんな人から飛び交う光景をしばしば目撃します。
これは、それぞれの役割が不明確なのと
誰がリーダーシップをとって進めるか?ということが曖昧な時に
起こることが多いと感じています。
良い対応とは…
リーダーが、
「次、アドレナリン使うから準備しといてね」
時間管理をする人が、
「2分経ちました。モニターチェックお願いします」
とアルゴリズムに沿って進められており、
その場の人が混乱しないようにきちんと役割が明確になっています。
コントロールできるリーダーがいると色々な声が飛び交うことはほとんどありません。
なぜこれができるのか?
それは、その場にいる人がアルゴリズムをきちんと把握していることや
コントロールする人がいることだと思います。
例えば、風がない川で船を前に進めるためには、
みんなが同じ方向に漕がなくてはいけません。
明確な指示を適切なタイミングで出せる船頭がいれば
船は前に進むはずです。
さらに船頭の役割や進むルートがわかっている人が多いほど、
最短距離で目的地に着くかもしれません。
急変対応も同じようなことが言えると思っています。
みんなが目的や方法を共有していれば、
より質の高い対応となり患者さんが救える可能性も高くなるのです。
そんな事を考えながら、
川崎幸ICLSコースは毎月絶賛(?)開催中です。
by CCU看護主任
☆ICLSコースとは
”突然の心停止に対する最初の10分間の対応と適切なチーム蘇生”の習得を目的とし、胸骨圧迫、気道管理、気管挿管介助、除細動、薬剤投与などの一連の手技を学びます。